翻訳のスキルアップ
それでは出版翻訳の仕事を続けていく上で、どのように自分の日本語力を伸ばしていけばいいのでしょうか。
言い換えれば出版翻訳の世界では、どのようにスキルアップをしていけばいいのでしょうか。
出版翻訳の世界でも修業と研鑽が必要です。
それは他の多くの職業においても同じことが言えます。
こうしたことは翻訳の勉強においても非常に有効です。
出版翻訳家を志す人にとっては、優れた翻訳者が翻訳した訳書は、この上もない生きた教科書になります。
先達が翻訳した作品を読むことで、日本語の隠れた魅力を知ったり、原作の世界を引き出す優れた翻訳術に触れたりすることができるのです。
出版翻訳に携わるものとして、自らの実力をアップさせたいと考えるなら、その秘訣は、うした一流の訳書を、とにかくたくさん読破することです。
できることなら外国語で書かれた原作を傍らに置いて、翻訳家の翻訳した日本語訳と比較しながら読み進めてみましょう。
出版翻訳の仕事
「原作のこの個所は、こんなふうに訳せるのか」とか、「なるほど日本語ではこういう表現もできるのか」とか、こうして読み比べてみると、驚くほどに多くの発見があるはずです。
そうして読み進めていく過程で、一読者として漫然と読んでいては決して気付くことはないプロの翻訳家としての視点に、少しでも自分を近づけていくことができます。
勿論自分自身で翻訳を考えながら読み進めていってもいいでしょう。
プロの翻訳家による翻訳と自分自身による翻訳とを比べてみて、「その両者ではどこが違うのか」「翻訳家を目指す自分の翻訳の場合、足りないのは何か」等といったことにいろいろと気づく筈です。
とは言え翻訳は十人十色です。
仮に十人が翻訳をすれば、十通りの翻訳結果が出たとしても不思議ではありません。
決してこれが正解、といった翻訳はありません。
また出版翻訳の指導法にもマニュアルはありません。
出版翻訳の場合、誰かが正しい答えを教えてくれる、といった性質のものでもありません。
従って出版翻訳を学びたいのなら、先生となる誰かが教えてくれるのを待つのではなく、先輩たちの仕事を通して自ら学びとるという積極性が求められてくるのです。
勿論翻訳技術を学ぶ翻訳学校で勉強するのも一つの方法ですが、もしそうした翻訳学校へ行くつもりであれば、自分が師事したいと思う先生の有無で、学校を選ぶのも一つの方法でしょう。